この研修がパワハラだよ~

IT業界専門の人事コンサルタント、特定社会保険労務士の小林裕幸です。

 

セクハラ・パワハラ研修の講師をしていたとき、
ワーク中の参加者がこんなことを言っておられました。

 

「この研修がパワハラだよ~(T_T)」

 

理由を説明する前に、一般的なハラスメント研修ってどういうものかから振り返ってみましょう。

 

研修講師の最も重要な役割は「知識を伝える」ということですよね。

ハラスメント研修であれば、

「パワーハラスメントとは」
「パワーハラスメントの6類型」
「パワーハラスメントの裁判例から、こんなことを言ったり、あんなことをしたら負けますよ~」

みたいなことを、レジメを使って伝えていきます。

 

最近は「アンガーマネジメント」というのも注目されていますね。

自らがハラッサーであることを自覚している部長さんや課長さんには有効でしょう。

 

このような研修は、受講者側からみると、
与えられた知識を「覚える」という受け身の姿勢になりがちです。
なので、講師は、ワークを取り入れ、ストーリーテリングという手法を使うなどして、
なるべく受講者が退屈しないよう、そして理解が深まる工夫を考えます。

 

では、私が「この研修がパワハラだよ~(T_T)」と言われたときはどうだったか?

 私のセクハラ・パワハラ研修の流れをざっくりご紹介しますね。

 

  1. 事前のサーベイを題材にして、グループワークで職場の現状を振り返る。
    ハラスメントを受けたという事実はもちろん、
    行為者あるいは目撃した事柄すべてについて思い起こしていただきます。 
  2. 問題の所在を特定する
    「制度」「風土」「人間関係」など
  3. 原因を探求する
  4. 具体的な改善計画を立案する

 

ロジカルシンキングの方は、もうおわかりだと思いますが、
問題解決の手法を「ハラスメント研修」に取り入れています。

 

この研修は、過去の「知識を増やす」研修では達成できなかった、
受講者の「当事者意識を持つ」「実践に活かす」というキーワードが重要な要素でした。

受講者が、主体的に考え、悩み、知恵を出し合って進めていきます。

答えを講師が教えてくれるわけではないので、とても大変な作業だったようです。
そこで冒頭の発言となったわけです。

正直言いますと少しだけSっ気のある私としては「してやったり」という気持ちもあり、まんざら的外れでもないかなと思いましたが・・・

 

研修後には、
「今日の講師は、偉そうぶらず、上から押さえつける感じがなくて良かった」
という感想をいただきました。

それはそうです、受講者が自ら考え、悩み、解決の方向性を見出していったわけですから、
私が何かを教えたわけではありません。
私からは、後はPDCAを効果的に継続していただくことを願うばかりです。

 

博学といった点でいえば、これまでたくさん著書があり、多くの講演をなさっている先生は、他にたくさんおられます。
私も、しょっちゅうそういった先生のお話をきかせていただいています。

 

いずれも、最終的にめざすところは、

☆職場の風土改善
☆生産性の向上
☆コンプライアンスの向上

など、大きな違いはないのではないでしょうか?

企業の人事の立場から考えていただきたいのは、

 「今何が必要で、どのような効果を期待して研修を行うか・・・」
そのために「どのような研修が最善か?」

そこを明確にして研修計画を立案していただきたいものです。

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